勘違いしないで！脂漏性皮膚炎による脱毛とＡＧＡ

「頭がべたついている人は薄毛になりやすい。」 とか、
「頭皮のフケや皮脂汚れが毛穴に詰まるのが薄毛の原因。」 などと耳にしますが、
 これらの情報は間違っているそうです。
ずっと何ヶ月も、あるいは何年も髪を洗ってない人たちが
全員薄毛になっているかといったらそんなことはないということです。

少なくともＡＧＡの場合は、 頭皮環境に関わらず『ＤＨＴ』というホルモンの
影響によるヘアサイクルの異常が原因です。

ただ、頭皮のべたつきに関しては、 ＡＧＡを引き起こす原因となる
『ＤＨＴ』が 皮脂線を肥大化させることで 皮脂が分泌過剰になるということはあるそうです。
そういえば、ＡＧＡで頭皮が見えている部分てテカリがあるかも？
皮脂が分泌過剰だからＡＧＡになるのではなく、
ＡＧＡだから分泌過剰になってべたつきを感じるのですね。

しかし医学的には、 ＡＧＡの症状として「皮脂の分泌過剰」という記述はないそうです。
皮脂過剰が原因で発症したと思われる脱毛の場合は、 ＡＧＡではなく、
脂漏性皮膚炎という皮膚炎に由来していることが疑われます。

脂漏性皮膚炎とは、皮脂が過剰になったことで、
それを餌とする『マラセチア』と呼ばれるカビの一種（真菌）が増殖して、
皮膚に炎症を起こすものです。
“カビ”というと聞こえが悪いですが、 誰の皮膚にでも存在する常在菌のひとつです。
脂漏性皮膚炎が頭皮で起きた場合の症状のひとつとして脱毛があります。
脂漏性皮膚炎により脱毛が起こるケースは男女ともに少なくなく、
特に男性にはその症状が強く見られるようです。

頭皮のフケやかゆみも、 この『マラセチア』の増殖による炎症によるものと言われます。
脂漏性皮膚炎の脱毛は、 皮脂により増殖した『マラセチア』が
原因の皮膚炎による脱毛ですから、
皮脂汚れが間接的に関与しているとは言えますが、
皮脂そのものが脱毛を引き起こしているわけではないようです。

フケもまた、脂漏性皮膚炎の症状です。
ですから、フケが多くなった場合は脂漏性皮膚炎の疑いがあり、
脂漏性皮膚炎による脱毛を起こす可能性はあるということになります。
脂漏性皮膚炎の場合は その原因である『マラセチア』への
対処が必要となる点で 他の皮膚炎と区別されますが、
 『マラセチア』の増殖を抑制するための治療薬として 『抗真菌薬』が用いられます。
頭皮の炎症の場合は、『抗真菌薬』入りのシャンプーもあるようです。

また、低刺激のシャンプーを使うことも勧められています。
脂漏性皮膚炎が原因の脱毛の場合は、 皮膚炎を改善することで脱毛も治ります。
ＡＧＡではないので、 ＡＧＡの治療薬を使用しても効果はありません。
ＡＧＡの治療薬を使うことで 炎症を悪化させてしまうこともあるかもしれません。
症状が出たら早いうちに受診して、 適切な処置をすることが大切のようです。

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